債務整理を行うことで、必ず全ての借金がチャラになるのか気になる方は多いかと思います。
結論からお伝えすると、債務整理には①任意整理②自己破産③個人再生の3つの方法がありますが、いずれの場合も、借金の全てがチャラになるわけではありません。
債務整理をすることで、借金返済にかかる負担を軽減することができる可能性はありますが、必ずしも全ての借金が免除されるわけではないのです。
この記事では、なぜ全ての借金がチャラにならないのか、そしてチャラにならない債務は何なのかを見ていきます。
このページの目次
なぜ全ての借金がチャラにならないのか?
そもそも債務整理には①任意整理②自己破産③個人再生の3つの方法があり、それぞれ減額される借金額が異なってきます。
任意整理に関しては、将来発生する利息をカットすることで毎月の返済額を減額できるよう債権者に交渉する手続きです。そのため全ての借金がチャラにあるわけではありません。
個人再生に関しては、借金の総額を5分の1~10分の1に減らした上で、残りの金額を3年間で返済していく手続きです。
借金の総額は大幅に減らすことはできますが、全ての借金がチャラにすることはできません。
自己破産に関しては、全ての借金をチャラにできると聞いたことがある人もいるかもしれません。
この説明が間違っているわけではないのですが、借金でない債務に関してはチャラにならないということです。
チャラにならない債務とは?
チャラにならない債務のことを、法律上は非免責債権といいます。
非免責債権は全部で7種類あります。簡単に言うと、例え破産したとしてもその人が必ず払う必要があるものや、その人が払わないと意味のないもの、ズルをして隠そうとした借金などが該当します。
以下、非免責債権を簡単に列挙します。
①租税等の請求権
税金や国民健康保険料などのことです。
②悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
わざと他人に損害を与えた場合の債務です。
③故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
他人の命や体を傷つけた場合の債務です。②と違いこちらは命や体といった重大なものに損害を与えた場合ですので、わざとでなくても含まれます。
④親族の扶養義務等
離婚した際の養育費などが該当します。
⑤雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
従業員を雇っていた場合の給料などが該当します。
⑥知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
自己破産では裁判所に対して、全ての借金の情報を提出しなければいけません。債権者の利益を守るためでもありますので、わざと借金を隠そうとした場合は非免責債権となります。
⑦罰金等の請求権
罰金はその人が払わないと意味がないものですので、自己破産してもチャラになりません。
まとめ
以上のように、債務整理をしても全ての借金がチャラになるわけではありません。
しかし、仮に非免責債権があったとしても、それ以外の借金を減額したり、チャラにできる可能性は十分にあります。
また、自分の借金が非免責債権に該当するか分からない場合も司法書士等の専門家が判断しますので、ぜひ一度無料相談にお越しください。