自己破産とは

自己破産とは、借金が返済できなくなってしまった場合に、裁判所に申し立てをすることによって借金を無くす手続きのことです。

自己破産という制度を利用することにより借金に悩まされることがなくなり、生活を立て直すことができますが、自己破産をすることによるデメリットもあります。

ただしデメリットと言っても、事前に対策が可能なデメリットもありますし、デメリットを気にするよりも生活を立て直すことがなにより大事です。以下自己破産によるデメリットを見ていきましょう。


自己破産のデメリット5選

①クレジットカードの作成やローンを組むことが難しくなる

自己破産だけではなく、債務整理全般に共通するデメリットとして、信用情報に事故情報として登録されてしまいます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」と呼ばれるものです。

自己破産の場合は5~10年間、信用情報に事故情報が登録されます。

事故情報が登録されていると一体どうなるのでしょうか?

クレジットカードを新しく作成したり、ローンを組むことが難しくなります。ローンというと住宅ローンが思いつくかもしれませんが、もっと身近のものだとスマホやiPhoneなどの分割払いもローンに該当します。

(ただし携帯キャリアによって対応は異なるので一概に分割払いが出来ないとは限りません。)


②高価な財産を処分する必要がある

原則として持っている高価な財産は処分されて債権者(消費者金融やクレジットカード会社など)に分配されます。ただし、全ての財産を処分しなければならないわけではありません。

あくまでも「高価」な財産が処分されます。

具体的に言うと、家や土地、新車、解約返戻金が20万円以上ある保険などが処分されてしまいます。反対に高価でない財産や生活必需品(家具や家電など)は処分されずに持ち続けられます。


③自己破産をしたことが官報に掲載される

自己破産をすると官報に住所と名前が掲載されます。官報というのは国が発行している新聞のようなものです。

各都道府県の官報販売所で購入することができますが、一般的なものではないので、官報に掲載されたことによって知人にばれてしまうなど、日常生活に影響が出ることは考えづらいです。


④借り入れに保証人がついている場合、保証人に影響が及ぶ

借り入れに保証人がついている場合に自己破産をすると、債権者はその保証人に返済を求めます。

保証人というのは借りた人が返済できなくなった場合のために存在しているので、保証人が代わりに返済することとなってしまいます。


⑤自己破産の手続きが終了するまで就けない職業がある(職業制限)

例えば宅建士や生命保険募集人、警備員などです。他にも私ども司法書士や弁護士などの士業も該当します。

また、会社の取締役や監査役などの役員の方は自己破産手続きが開始した際に強制的に解任されてしまいますので、再度役員に就任し直す必要があります。


自己破産でよくある誤解6選

①家族にばれる

気を付けていれば、ご家族にばれずに自己破産をすることが可能な場合もあります。

そのため必ずしもばれるとは限りませんが、裁判所に提出するために通帳や公共料金の領収書などが必要となるため、ご家族の協力・理解はあった方がよいです。


②会社にばれてクビになる

会社にばれることは通常考えにくいです。前述した職業制限に該当した場合は会社にばれてしまうでしょう。

会社から借り入れをしている場合には会社が債権者となり、裁判所から通知がされるのでばれてしまうでしょう。もしばれたとしても自己破産したことを理由にクビにすることは不当解雇に該当すると考えられます。

また、自己破産手続きとは直接関係はないですが、返済が滞ってしまったために債権者が裁判を起こし給与を差し押さえる場合があります。そうなると会社にはばれてしまうでしょう。

そうならないためにも早めに対策を打つ必要があります。


③妻又は夫のカードも使えなくなる

あくまでもご自身名義のカードが使えなくなるので、ご家族名義のカードが使えなくなることはありません。

しかし、例えば奥様に家族カードを発行している場合、家族カードが使えなくなるため奥様にばれてしまうでしょう。

「家族カード」とは、クレジットカードを契約した人のご家族に対して発行され、ご家族が使用することのできるクレジットカードのことです。


④戸籍に載る

戸籍には載りませんのでご安心ください。


⑤家を追い出される又は借りれなくなる

家賃を払っていれば追い出されることはありません。

借りることも基本的には問題ないですが、家賃保証の会社が信用情報を見れる会社だと審査に落ちる場合も考えられます。その場合は家賃保証会社を変更することで対応が可能です。


⑥スマホを使えなくなる

端末代の支払いが完了している場合で、利用料金に滞納がなければ変わらずに使用できます。

端末代を分割払いしている場合は強制解約される場合もありますが、あくまで携帯会社の判断になりますので、利用が可能な場合もあります。

この場合は、誰か別の方に一括で端末代を支払ってもらうか、もしくは別のスマホを新たに購入することで対処が可能です。


自己破産しても残る借金10選

自己破産をしたからと言って、全ての借金が無くなるわけではありません。以下に列挙します。

  1. 税金や国民健康保険料
  2. 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  3. 故意(わざと)又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権=誰かを殴って怪我をさせた場合の損害賠償金の支払いなど
  4. 夫婦間の相互協力扶助義務に基づく請求権=生活費
  5. 夫婦間の婚姻費用分担義務に基づく請求権
  6. 子の監護義務に基づく請求権=養育費
  7. 親族間の扶養義務に基づく請求権=生活費
  8. 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権=従業員へのお給料の支払い
  9. 債権者名簿にわざと記載しなかった請求権=借金をわざと隠した場合
  10. 罰金等の請求権

これらのものは自己破産をしても無くなりませんので、ご自身で支払っていく必要があります。自己破産によって借金の返済が無くなった分で、支払いをしていきましょう。


まとめ

以上自己破産のデメリットやよくある誤解についてまとめました。

自己破産にはデメリットも存在しますが、それ以上に生活を立て直すことができる制度です。

住宅や車を手放したくないというような人には別の方法もありますので、まずは一度無料相談をご活用ください。

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