学費が高額になっている近年、奨学金や教育ローンは子供が教育を受けるに際して、なくてはならないものになってきています。私どもも実際に大学入学の際に奨学金をお借りしています。
奨学金と教育ローンの違いは債務者(借り入れをした本人)が子供自身であるか親であるかです。奨学金は子供自身が債務者となるため子供が債務整理を行う必要があります。
反対に教育ローンは親が債務者であるため親が債務整理を行う必要があるという違いがあります。以上を踏まえてそれぞれどの債務整理手続きがベストなのか検討していきましょう。
このページの目次
奨学金を債務整理する場合
奨学金を債務整理する方法としては①任意整理②自己破産③個人再生が考えられます。
なお奨学金には減額返還という日本学生支援機構の制度もありますので、返済に困った場合はそちらもご検討下さい。
①任意整理
任意整理は将来の利息をカットしてもらうことにより、毎月の返済額を少なくすることが目標です。しかし奨学金は大体の場合、もともと通常の借り入れよりも利息が低く設定されていますので、任意整理をしても結果的に毎月の返済額がそんなに変わらないということが考えられます。
そのため奨学金のみを任意整理するのはおすすめできません。ただし奨学金の返済に困っているということは他にも借金があるためだと思いますので、他の借金を任意整理して、奨学金はそのまま返済を続けるというのが一番良い方法である場合が多いです。
②自己破産
自己破産は借金そのものをチャラにできる制度です。奨学金も対象になりますので、検討する余地は十分にあります。ただし保証人がついている場合には注意が必要です。
奨学金には親が保証人としてついている場合が考えられますが、保証人がいる場合、本人が自己破産によって借金を免れたとしても保証人には返済をする義務が残ります。そのため子供が借金を免れはしたが、親に借金が残り、家計としては全く変化がないということが考えられます。
保証人がいる場合は、保証人とよく話し合い、保証人も同時に債務整理をするなど対策を打つ必要があります。
③個人再生
個人再生は借金を一定の額まで減額し、返済を続ける制度です。そのため自己破産と比べると借金がなくなるという大きなメリットはありませんが、住宅ローンを組んでいる方には非常にメリットのある手続きとなります。
とはいえ奨学金を返済している方で住宅ローンを組んでいる方は少ないように思いますので、まずは自己破産から検討しましょう。
教育ローンを債務整理する場合
教育ローンを債務整理する方法としても同じく①任意整理②自己破産③個人再生が考えられます。考え方は奨学金の場合と同じです。
①任意整理
奨学金と同じく利息が低い場合は任意整理をしても効果は薄いです。
②自己破産
奨学金の場合と同じく保証人がついている場合には注意が必要です。
③個人再生
教育ローンの場合、債務者となるのは親です。そのため住宅ローンを組んでいる方も多いと思われますので、個人再生を検討する価値は十分あります。
まとめ
この記事では奨学金と教育ローンを債務整理する場合について検討しました。この記事で検討した内容はあくまでも目安ですので、個々のケースでベストの選択肢は変わってきます。
自分の場合はどの手続きがベストなのかの判断はぜひ専門家にお尋ねください。奨学金や教育ローンは子供が望んだ教育を受ける機会を得ることができる素晴らしい制度です。借りた人が利息を付けて返済することにより、次の世代の子供が教育を受ける機会を得ることができます。
しかし返済に困った場合には迷わず減額返還制度や債務整理を検討しましょう。少しでもお悩みの方はまずは一度相談にお越しください。弊所でも無料相談を行っておりますので、ご活用頂ければ幸いです。